二〇〇六年春は地方の公立高校が東京大学の合格者数を急激に伸ばして話題になった。金沢泉丘高校(石川県)や富山中部高校(富山県)の躍進が盛んにマスコミで報じられたことを記憶している読者も多いだろう。二〇〇七年春は東京の中高一貫校・開成が、東大合格者数で昨年比五一人増の一七二人合格(前期判明分)など私立躍進が報じられたが、昨年に引き続いての地方公立校の堅調な増加ぶりも報じられている。二〇〇六年に地方の公立高校から合格者が急伸した理由として、東京大学が学校説明会を開催するほど優秀な生徒を集めることに力を入れ始めたから、医学部人気によって実力的には東大合格圏内にあった従来の同大合格者輩出数上位私立高校生が東大ではなく医学部受験に回ったから、漫画『ドラゴン桜』効果など諸説が挙げられた。しかし、躍進した公立校のある環境をよく見ると分かるが、地域に塾も予備校もなく、頼ることができるのは学校だけ、そんな現実に公立校教員たちがまっすぐに応えたということだ。学校以外に頼るしかない地域ならではの事情だ。また、私立高校が近くに存在しないということは、学力の高い生徒が選択の余地なく公立高校に進学するということでもある。
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