うつ状態の治療では、「森田療法」と呼ばれる治療法の考え方も利用できる。森田療法では、「目の前にあることをやらせる」とで、不安を自覚させないようにしようという考え方をとる。将来の不安にとらわれすぎるから、過去のことを後悔しすぎるから、「今」やるべきことが手につかない。そこで、「今」やるべき課題を与え、先のことや過去のことを見すぎないようにさせるわけである。「認知行動療法」は、「やればできる」ということを実際に確認させることで、認知のゆがみを除いていこうとする。「森田療法」では、できるとかできないよりも前に、とにかく「今やるべきこと」に集中させ、余計な不安に注意が向かないようにしてやるのである。だから、机の前にすわったときに、不安がかけめぐって勉強に手がつかないようなときは、たとえば、過去に受けた模試の整理をするのもいいだろう。たまっているカード類を整理するということでもいいし、エンピツを削ったりすることでもいい。余計な不安が、今やるべき「作業」によって多少でも落ちついてきたら、すぐに勉強をする態勢に入ればいい。これは、森田療法的なアプローチだ。こうした、ちょっとした作業を、勉強前にかならずやると決めておくことで、毎日の勉強を習慣化させていくこともできるはずだ。「肉体的なスランプ」の場合なら、思いきって「完全オフ」にしろ!たとえば、月に一回か二回、どうしてもヤル気が出ずに、勉強に手がつかない日がある、という人もいるだろう。スランプというのは、精神的なことが原因だけで起こるとはかぎらない。身体が非常に疲れていて、頭でやろうと思っていても、身体がどうしてもついていかない、ということもよくある。こういうとき、勉強が手につかないのは、身体が「休め」というサインを出しているのだと考えていい。もしそうなら、その日は、思いきって休息日にあてでしまうといいだろう。とくに、部活をやっている人や通学時間が長い人は、知らないうちに疲労がたまってしまう。「机に向かうとかならず眠くなる」という人は、睡眠時間も少なく、規則正しい生活ができていないことが多い。スランプが精神的な問題だとばかり思っていると、こんな意外な原因を見落とすこともあるのだ。