大きなギャップないしミス・マッチが拡大している

2011.11.14

「自己啓発優遇税制技術水準」が高まって専門的、管理的ホワイトカラー職種など知識集約的な職種の比重が増え、また高齢化や社会構造の変化が進展して人々の就業パターンが多様化してくるにともなって、人々の職業能力の絶えざる向上が本人としてもまた社会としてもますます重要になってきている。ところが、技術変化や需要構造の変化がますます速くなり、しかも労働力構造が多様化してくると、企業がこれまでのようにまとめて同質的な教育・訓練を行うことが技術的にもまた経済的にもますます困難になってくる。

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一方で人的投資のニーズが高まっているのに他方で企業によるその供給に制約が強まってきているわけで、社会的に大きなギャップないしミス・マッチが拡大している。こうしたギャップを埋める有益な方策として私はかねてから「自己啓発優遇税制」を提唱している。これは、職業能力を高める目的で自己啓発による自己教育訓練投資を行う人々の投資経費を課税対象所得から一定の基準にしたがって実額控除するものである。この制度が実現されれば、これからの経済や産業社会の直面する最も重要な問題である人的資源の能力向上の課題は大きく前進することになる。第一に、高齢化し、国際化し、多様化する産業社会での人的資源の開発は自己啓発投資が最もふさわしく、それを優遇税制をバネにした自発的努力によって強化できる。第二に、成人の人的投資には機会費用も含めて高いコストがかかるのがこの制度により、それを個人、企業そして国の税制という三者が分担することになり、成人の人的投資がはるかに容易になる。第三に、この優遇税制は税控除により税収が減るが、実額控除適用資格者の教育・訓練需要がふえるので教育・訓練産業が発展し、そこからの税収がふえる。また人的投資の効果によって生産や所得が増加するのでそこからも税収がふえ、結局、減税分を上廻る税収があがるものと期待される。