雨が漏る、壁にひび割れがあるといった指摘は、それが目に見える欠陥だからこそ被害者にとっての「動かぬ証拠」となり、誰もがそれを認めてくれるはずと、通常ほとんどの人はそう思う。だから、いざ弁護士のところにくるときには、被害者はいずれもそうした「欠陥」を山ほど持ち込んでくる。「先生……玄関はこうで、茶の間はこうこうこうで、雨漏りはするし、結露も酷い」欠陥の箇所をびっしり書き込んだメモを携え、延々とその状況を説明して、結論は決まって、「これは酷い欠陥だと思いませんか。
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なのに、業者は応じてもくれないのです。断じて許せません!」ということになる。無理もないのである。「動かぬ証拠」があるからこそ、言っているのである。しかもどの被害者も例外なく、ここに来るまでには散々業者にクレームを出している。ところが突っぱねられ、あるいは知らん顔をされるなどして、いわば半分ノイローゼにも近い心境で弁護士事務所の門を叩くのである。気持ちは痛いほどわかる。だが、欠陥住宅訴訟の難しさは実はそこなのである。理不尽と思うだろうが、どんなにたくさんの欠陥を見つけても、法的にはそれだけでは争えない。逆にいえば、裁判に勝利するには、それなりの闘い方のセオリーがあるということだ。